オープンカレッジ「漫画書店員バトル」を受けて

長い、超長い、しかも読みづらい。
多分、誤字脱字あるけどとりあえずアウトプットしてみた。
多分に自分の意見が含まれているので知識として参照するのは、自己責任でお願いいたします。


書店でのコミック担当の現状
・書店の正社員がどんどん減っている
 →アルバイトが増える→仕事に対しての責任感・モチベーションは減る
 (時給制であるならば、仕事はこなすもの。ただ終わるのを待つようになる)
  →担当分野の知識は欠落し、ユーザへのアプローチは弱くなる
   →ユーザはリアル店舗の魅力を感じなくなる
    →リアル書店からネット販売に客が流れさらに書店員のバイト化が進む
・知の空洞化 コミック担当は圧倒的に若い世代が多い。理由としてコミック担当はメインカルチャーとなった今でも花型部署ではなく、今だに文芸・ビジネス書と比べると劣ったものとして扱われている。 現在書店でコミック担当は70年代、80年代の漫画を余り知らない。当時漫画を担当してた人でないと対応できないこともあるが、ベテラン書店員はいつの間にか漫画担当から外れていっている
・書店員はゆとりがないと本を読む時間がなく人に進める力はつかない
・コミックは一日数冊読むことが可能。これがハードカバーや小説の場合はたしてお客に進められるだけの冊数を読むための時間を日常的に確保できる書店員がどれほどいるのか。オススメ力(キュレーション能力とはまた違う気がするが)を試される時、書店員がその分野のプロフェッショナル(書店員としてアマチュア)に負けることは十分にありえる。
 →TSUTAYA代官山では旅の書籍をすすめる書店員は元旅行ジャーナリストが担当するという試みが行われている。実際問題、自分が客なら本を読むことが目的ではなくその先にやりたいことがあり、読書はあくまでそのやりたいことへ近づくための手段でしかない。その場合、その道のプロフェッショナルに本をすすめてもらったほうがよっぽど納得感がある。
・自分が漫画に求めるのは、感動・心を揺さぶる物語を体験すること。その体験を引き起こせる漫画をおすすめするためには、沢山読んでいるだけでなく、客がどういった漫画にいままで触れてきたのか、今後どういった漫画にハマりそうかを分析する力が必要。この力はある程度の数のお客とコミュニケーションを繰り返した上でしか育たないのではないかと考える。果たして現状の書店員にそこまでの時間・余裕はあるのか、ニーズが顕在する前に取り組むだけのモチベーションはあるのか

漫画の特典について
とらのあなアニメイトやらで実施されている購入特典の経費は店舗が負担している
・出版社がやる特典に関しては全国共通で配布できないんだったらやるべきではないという声もある
・グッズ型特典(CDとかフィギュア)と追体験型特典(イベントとかライブ)
・グッズ戦略はヘビーユーザー(そのマンガにどっぷり浸かっている層)に対して有効ではあるが、逆にもらって嬉しくないそうも明確にいる
 「自分はライトユーザーでありたい」
 →書店員が押す漫画は将来的に連載が長引く
  →そんなに買い続けられないよ・買わなきゃいけない感は苦痛
そういったライト層をターゲットにして、漫画版星新一のようにショートショート漫画を書く人がいてもいいのではと思う
 
書店形態の多様性について
・本は本当に書店でした取り扱えない?
 電車の中や雑貨屋さんにコーナーを設けて本をもっと売ることは可能ではないか。
 ビレッジバンガードのように、関係ないものと本を組み合わせることでシナジーをうみだせるのではないか → 現状本と売っているものの間に相関関係は薄い。

日本のクラウドファウンディングはプロモーションの一巻
 ・無名のクリエイターがお金を集めるためというより、ある程度名前の知れたアーティストが自分の作品をアピールするシチュエーションでしか機能しない

書店の未来
書店の未来を占う上で外せない話が家電製品の話。Amazon・カカクコムと家電量販店、そして町の電器屋。町の電器屋はどんどん潰れていっている。電化製品は単価が高く、一つ一つを買うのに客は慎重になる傾向がある。どうせ買うなら実際に見て触って確かめたい・いろいろな商品と比較したい、どうせ買うなら商品知識が豊富な人に相談したい、どうせ買うならできるだけ安く買いたい。街の電気屋は消費者のどの欲求にも答えることが出来なかったから潰れた。現状残っているのは大型量販店とネット販売のみ。大型量販店は数が作れないので、地方は後回し。対応できるのはネット通販のみ。ただでさえ売上が厳しいのにネットに客は流れ、地方の個店は閉店せざるを得なくなる。地方では地域に密着したリアルな店舗がどんどん減っていく。店を存続させるだけの顧客が商圏に確保できないのだから仕方がない。

Amazon化:郊外に大量のスペースを確保し、店舗型の書店では太刀打ち出来ないだけの豊富な本を揃える。客からの注文はすべてWeb経由で人件費は極力下げる。接客はすべてコンピュータの仕事。データの効率化で、今一番旬の本やこの漫画を買っている客にはこの本も評価が高いよと簡単に進めることができる。最強、マジ最強、ただし運送業者は死ぬ。
ショールーム化:実際に本をさわり、読み、物色が出来る。大型書店がこれにあたる。電化製品で言うところの大型家電量販店と違うのは店舗ごとに商品の価格を変更することが出来ず、ポイントカードも導入できず客の囲い込みが出来ないこと。極論すれば、ラインナップはどの大型店でもかわらず、差別化がしづらく、消費者からしたらぶっちゃけ書店の名前なんてただの看板で、どこ行ってもいいじゃんとなる。
セレクトショップ化:店員の個性をモロに出して、うちにくる客にはこれを進めたいんじゃという独自路線を打ち出すお店。限られた店舗面積でも成り立たせることが出来るし、専門店化すれば客のニーズを確保することが出来るが、裏を返せば書店員の力がモロに売上に跳ね返る。町の本屋が明日から目指せるタイプの店じゃない。

こうやって書いていくと見えてくるのは、漫画に限らず、今後何かを買おうと思ったとき、ネット上のコミュニティーで共有されている情報を元に、Amazonで買うという流れが加速するのではと思う。どんだけ時代が進んでも、一番最初にとにかく買いたい層は絶対にいるし、そういう人柱層がいる限り「あれは良かった」「これはダメだ」という論争は自然に起こり、ライトユーザーがその情報を元に買って、その評価もAmazonやコミュニティで共有される。買った層がモノ言わぬ消費者ばかりだったらどんなに良い商品でも売れないという状況は不可避だから、ステマは日常なものになるだろうがそれを選別するためにコミュニティの中でも千里眼を持った人たちが生まれてくるだろうし。情報の奔流の中では良貨は悪貨を駆逐する、というよりふるいにかけられた上で残ったものなのだから良貨でしょという共通認識になりそう

音楽の母体がLPからCDに移り、ついにはiTuneやYoutubeに変化しつつある。根底にあるのは、耳に聞こえれば母体はなんでもよいよという消費者の思いである。コンテンツ(物質によらない体験型商材)は最終的にデータへと形を変え、所有する欲求とは切り離される。そうなったときマネタイズのために必要なのは、母体を買わせる手段ではなく、消費者が気持よくお金を払いたいと思わせる仕組みである。フリーミアムモデルはリアル世界でも有効であることは、米国においてアーティストがライブ活動に活路を見出し、楽曲はその動員数を稼ぐためのツールへと形を変えたことからも伺える。
CDがそうであったように、漫画もいずれデータへと移行していく。本としての漫画がなくなることはないだろうが、紙を所有することは金持ちの道楽になる将来が来ると思う。紙は刷るのに余計なコストがかかるし、買った後保管するためにスペースが必要でひいてはそれは家賃という形で経済状況を圧迫する。紙の本はぜいたく品であり、わざわざ注文してから届くまでに待たねばいけない酔狂なものととらえられる日がかならず来る。例えばスーパーのカレーコーナーの棚にQRコードが貼ってあって、それをスマホで取るとカレー本特集に飛ばされ、その場で書籍を買うという時代が来るかもしれない。スーパーは在庫は抱えなくていいし、売る側は販路を拡大できる、売上の一部はスーパーに還元されればウィンウィンで、その流れの中で紙に頼る本は邪魔以外の何者でもない。

漫画を紙にする際、印刷機にデータを渡すために一度必ずデータ化されていることを初めて知った。原理上、すでにすべての漫画はデータ配信することが可能なわけである。電子書籍化はどの会社が本気で取り組むかの問題だと感じる。

漫画を電子書籍化する上での表現方法で、コレだと思う形も見えたので、これから勉強してアプリを作ろうかなと簡単に口に出してみる。言うのは無料。